秦荘紬「横段 青」
カテゴリー:京ブログ
2019.03.26
本日ご紹介致します商品は「秦荘紬」
秦荘(はたしょう)紬は、麻織物である近江上布の技法を取り入れ、戦後に生まれたお隣滋賀県の紬織物です。
秦荘紬のルーツは近江上布から始まりました。
近江上布は滋賀県・琵琶湖の東岸で生産される麻織物です。
江戸時代に幕府への上納品とされたことから「上布」と名付けられました。
鎌倉時代に近江へ京都から職人が移り住み、麻織物の技術を伝えたのが起源といわれています。
一方古くから養蚕も盛んでした。
その近江上布で受け継がれる「櫛押し絣」の技法を取り入れ、誕生したのが秦荘紬です。
1反を仕上げるのに1ヶ月がかかる秦荘紬は、滋賀県の伝統工芸品として登録されています。
繭は、春に芽吹いた桑の葉を食べた蚕がつくる「春繭」が上質な糸を生み出すといわれています。
秦荘紬はこの春繭を綿状にほぐし、手引した真綿糸を使用します。
それを丹念に手織りすることによってかもし出されるふんわりとした軽やかな風合いが、秦荘紬の大きな特徴となっています。
手織りですから絹本来の上質な素材感を損なわず、また年数を経るごとに独特の色合いや風合いが深くなります。
秦荘紬は、生産量は年々減り続けています。
数が少ない分、知名度には劣りますが知る人ぞ知る通の方から愛好される織物です。
絣文様が多い秦荘紬ですが、今回は珍しい青色を使った横段柄。
中々入荷しない珍しい逸品で御座います。
是非この機会にお手に取ってお試しくださいませ。